北海道から発信してきた写真や映像。次はライブパフォーマンスに挑戦したい。
出身はアメリカのサンディエゴ。
5歳の時に家族と訪れたタイで知り合った日本人家族が札幌の人で、それがきっかけで何度か札幌に遊びに来ました。スノーボードを初めて体験したのも、札幌へ来た中学生の時です。
高校を卒業してから札幌へ。とにかく来たくて来ちゃいました。映像やテレビの世界に興味があったので、札幌のテレビ局に売り込みをして回りました。そうしたら、あるテレビ局の方からラジオで外国人のDJを探していると教えてもらい、オーディションを受けたらなんと合格。FM北海道(AIR-G)で番組を持たせてもらうことに。映像ではなかったけれど音楽も好きだったし、憧れていた世界に近いし、ラッキーでした。番組でかける曲選びなどで音楽へのアンテナも高くなり、クラブでDJをすることも増えました。このころの経験は映像の仕事でも役立っています。
長野オリンピック開催に向け、「HTBでスノーボードの番組を始めるから出てみないか」と声を掛けてもらい、映像の世界にも関わるようになりました。最初は司会でしたが、そのころはまだカメラマンで滑れる人がいなくて、滑走シーンの撮影が難しかったんです。それでこれはチャンスだと思い、「僕、滑れるし、撮れます!」と手を挙げ、当時発売されたばかりのソニーVX1000という屋外の撮影に適した小型のビデオカメラを使って撮影しました。番組のBGMも任せてもらううちに、「自分の作品を作ってみたい」という想いが芽生え始めます。そして1999年に、「INTRODUCTION」という映像作品を作りました。ストーリーはないのですが、カッコいい滑りや、スノーボーダーのライフスタイルを盛り込みました。翌年にもう1本作品を制作。当時はまだVHSの時代でしたね。
その後、3年ほどスチール写真の仕事に没頭してカタログの撮影などを手掛け、DVDが普及し始めたため再び映像作品を作ることにしました。そのころのスノーボードはパークで滑るストリート系が流行っていて、DVDもテクニカルなHOW TOものばかり。でも、私の周りのスノーボーダーたちはすでにバックカントリーを楽しんでいて、ちょっと違っていました。ワンボックスカーにギアを積んで、そこで寝泊まりしながら、滑るために旅をするような生活をしていて…。そういうライフスタイルや滑りを撮って作品にしたいと思ったんです。それで、2004年に「CAR DANCHI(車団地)」の1作目を発表しました。
これがおかげさまで話題になり、14年間で10シリーズ発表しました。CAR DANCHIというタイトルは、車中泊しながら旅をしていた時、駐車場に並んだ車を見て「車の団地みたいだ」と思ったことから付けました。今はCAR DANCHIシリーズは少しお休み。映像は撮りためているので、またいつか作りたいと思っています。
経営しているソフトクリームの店・ロケール定山渓やスキー場のカフェの仕事、イベントが忙しくて、アーティスト活動ができていなかったのですが、コロナも収まってきたので、そろそろ動きたいと思っています。今、関心があるのはライブパフォーマンス。実はサンディエゴにいたころ、ジャグリングなどのストリートパフォーマーをしていて、もともと人前で表現するのが好きだったんです。これまで、DJ、音楽、映像、写真といろいろな方法で表現してきましたが、原点に戻ってライブ感のある、face to faceのリアルなパフォーマンスをしたいと考えています。その場でしか感じられないものってあると思うから。自分が今までやってきたことを詰め込んだマルチアート的な表現を、ライブでやってみたいですね。
定山渓にアーティストのレジデンスができたら面白い。
定山渓に引っ越してきたのは2005年ころ。結婚して、山の近くで自然のあるところがいいねと住まい探しをしていたときに、妻がこの場所を見つけました。札幌国際スキー場も近いし、温泉もあるし、自然に囲まれているし、最高だねと即決。定山渓は水がとにかくきれいで、夏は川でカヌーやSUP、釣りなどを楽しんでいます。住んでみて思ったのは、南区はアーティストにとって、とても良い環境だということ。とにかく広いから、敷地をたっぷり使える物件が多いし、自然に囲まれていて静かだし、創作活動をするにはぴったり。定山渓にアートスタジオ付きのアーティストレジデンスとかできたら、人気が出て面白いんじゃないかなと思います。(談)
1972年カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。
現在は妻と3人の娘、5人で定山渓に在住。ニールに先駆けてアメリカから北海道へ移住した父親を訪ねて91年から北海道で暮らし始める。
北海道のラジオ局、AIR-G’ FM北海道のラジオ司会者としての活動を開始。北海道テレビのスノーボード番組「No Matter Board」のオリジナル司会。98年長野オリンピックハーフパイプMCや日産エクストレイルジャムのレギュラーMCなど。
90年代後半からスノーボード映像の撮影を独学で開始、自主製作のスノームービー「CAR DANCHI(車団地)」北海道在住のスノーボーダーのドキュメンタリー作品シリーズ。「CAR DANCHI」は、およそ1、2年に1タイトルのペースで発売を重ね、現在までに10作をリリース。ルスツリゾートやダイハツのCMなど映像作家として活動中。
写真家としての活動は、カタログや広告の撮影、「THE NORTH FACE」「XEBIO」、「OUTSTANDING」、「Diggin Magazine」、「UOMO」ほか数々の雑誌に作品を寄稿している。
〈主な活動〉
Snowboard / Ski / Snowmobile / MTB / Canoe / Camping / Trekking / Outdoor Photography /
〈掲載雑誌〉
Trans-World Snowboarding, Snowing, Freerun Magazine, Brutus, Popeye, Asayan, Outstanding, Hunt Magazine, Diggin Magazine, Pleasure Magazine, Uomo
One Films
札幌市南区定山渓温泉西1-50
TEL 011-212-1536
E-mail neilhartmann@gmail.com
https://test.sapporo-minami-artfes.jp/artists-file/3440