Pick Up Artist
北川 陽稔 Akiyoshi Kitagawa
映像作家/haptics代表

北海道の自然をきちんと解釈し、
さまざまな表現で伝えていきたい。

  
 高校卒業後は東京で10年ほど活動し、29歳の時、札幌に戻ってきました。東京にも拠点がありますが、基本は南区のスタジオにいて、映像制作系の仕事に取り組んでいます。札幌に拠点を構えた当初は、アーティストのミュージックビデオを年間14、15本は制作していました。それまでの活動のつながりがあったことと、北海道ならではの圧倒的なロケーションが必要とされたためです。
 現在は、北海道の風土・自然・環境にこだわりつつ、シティプロモーション系のコンテンツ制作、地域の企業などのCM映像、ネイチャー・サイエンスの分野の研究・発表映像の制作なども行っています。

 高校時代、当時まだ萌芽期だったMacによる音楽づくりをしていました。その延長線上で実験的なWebサイトを制作するようになり、東京のアートスクールに進みました。そこで、Webや映像の創作をしつつ、VJにも触手を伸ばし、DJとともにイベントを開いたりしていたところ人の目にとまって、アーティストのライブステージでの映像制作を手がけるにようになっていったんです。
 上京して2年ほどで、そんな機会に恵まれたわけですが、VJは人のための表現。そうではなくて、自分が本来やりたかった表現を突き詰めようと考えるようになり、やがて実験映画にたどり着きます。

そこで制作した作品が、アメリカで歴史のある映画祭「Ann-Arbor Film Festival」で選考上映され、作家として作品をつくっていこうと方向転換をしました。
 その作品は短編でしたが、今度は16㎜フィルムでの、長編映画の制作に取り組みました。けれども、脚本に1年半、撮影に1年ほどかけて制作を進めたものの、納得できるものに辿り着けず、断念してしまったんです。

 表現という点で、映画は動きが鈍く、求めているものに到達しづらい。それがわかって、今度は写真での表現を追い求め、作品をつくり始めました。そして、明確な評価を得たいと考えて表現を磨き、現代アートの写真コンペである「キャノン写真新世紀」で入賞を果たすことができました。2011年のことです。

 Webや映像、映画、写真。いずれも一定レベルに達するまで取り組みました。現在の仕事は、それらの集大成ともいえるんです。
 北海道に戻ってきて最初に制作したのはウトナイ湖とその周辺のドキュメンタリーでした。私は、水など自然の情景を叙事的に描く旧ソ連の映画監督、アンドレイ・タルコフスキーが好きなのですが、千歳に降り立つ飛行機からウトナイ湖と湿原の景色を目にした時、彼が描写したような風景が身近にあることに感動。北海道の自然をきちんと解釈し、伝えるような仕事がしたいと強烈に思いました。
 さまざまな作品づくりを行ってきた経験から、クリエイティブは、経済活動ときちんとリンクさせなければ、継続できないことを痛感しています。そこで現在は、映像制作と並行して、たとえば撮影した実験的な流氷写真をテキスタイルに仕立てるといった考え方で、さまざまなコンテンツが動きつつあります。
 作家活動にも取り組んでいきますが、自分の活動と社会とをどう紐づけるかを大切にしつつ、ライフスタイルの提案といったことを、総合的に手がけていきたいと思っています。

南区の自然と文化的な土壌は、
表現者にとって最適な環境です。

  
 札幌で活動するにあたって南区、なかでもスタジオがある常盤のこの場所には、とてもこだわりました。水がきれいで森に囲まれているなど北海道らしいロケーションということに加えて、札幌芸術の森があって、札幌市立大学があるという文化的な土壌が、表現者としてのエコシスエムというか、刺激や影響を得やすい環境なんですね。仕事でやりとりをする人たちも、ここに集まり、森の風景を眺めながら話をするなかで、北海道らしい環境や土壌、経済を交えた観点から、地域の資源などを紐づけてパッケージし、表現して伝えていく。地域のクリエイターとも関わり、そんな動きができればうれしいですね。(談)

札幌市生まれ。東京にて映像作家として活動し、短編映画の制作等を行い、作品がアンディ・ウォーホルを輩出した Ann Arbor Film Festivalにて入選する。近年は主に北海道を制作のフィールドに活動。土地の歴史的背景やランドスケープに着目し、写真やビデオによる作品を制作する。キヤノン写真新世紀、J Rタワー アートボックス2014他にて入賞・入選。


「Water Garden “UTONAI”」(2010・苫小牧イコロの森)
「Unknown Northern City」(2010・ギャラリー品品法邑)
「Two Sanctuaries」(2010・ギャラリー品品法邑)
「annoski #01 tuie-pira」(2011・Gallery Cosmos)
「北川陽稔展 annoski」(2012・Gallery Poetic Scape)
JRタワー アートボックス「meltgram」展 (2014・JRタワーアートボックス)

 

<主なグループ展>

「写真新世紀東京展2011」(2011・東京都写真美術館)

「写真新世紀 仙台展 2012」(2012・せんだいメディアテーク)

「写真・重力と虹」(2013・CAI02)

札幌国際芸術祭連携企画 そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト

(2014・旧北炭清水沢火力発 電発電所)
札幌国際芸術祭連携企画 ハコレン「annoski Installation Version」(2014・Plantation)

札幌国際芸術祭特別展示「センシングストリームズ」映像上映(2014・札幌駅地下歩行空間)

特別企画展「もうひとつの眺め(サイト)北海道・8人の写真と映像」(2015・北海道立近代美術館)

 
北海道登別洞爺広域観光圏協議会 プロモーション映像
https://vimeo.com/530634638
FOLKS ミュージックビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=nlL_BExjpwQ
piana ミュージックビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=bnC4UKaLqH0

株式会社haptics URL:http://haptics.co.jp/

AKIYOSHI KITAGAWA Archives
http://www.akiyoshikitagawa.com/

AKIYOSHI KITAGAWA Archives
https://www.facebook.com/akiyoshi.kitagawa

住所:札幌市南区常盤4条1丁目1-14

 

 

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