結果発表

  • 審査応募部門概要
    ・自分の芸術活動全般に関する動画作品
    – 美術などのライブ制作動画
    – 音楽演奏などのパフォーマンス動画
    – 作品紹介・解説動画
    など、自身の芸術活動に関するものであれば形態は問いません。
    ・映像作品(短編映画・アニメーション・CG作品など)
  • 様式
    10分以内の動画とします。
    以下の仕様に沿って制作してください。
    フォーマット:mp4、mov、avi、wmvのいずれか
    解像度:720p(1280 x 720)または1080p(1920 x 1080)
    ビットレート:10Mbps以下
    ファイルサイズ:3GB以下
  • 審査員
    大平 英人・須之内 元洋・早川 渉・芝木 謙子・坂本 真惟・渋谷 芳生(順不同)
  • 表彰
    最優秀賞:奨励金(10万円)、副賞(札幌市南区特産品詰め合わせ など)

    優秀賞(2点):奨励金(3万円)、副賞(札幌市南区特産品詰め合わせ など)

    区長賞:奨励金(1万円)、副賞(札幌市南区特産品詰め合わせ など)

    南区特別賞:図書カード(5千円分)、副賞(定山渓温泉特産品詰め合わせ)
  • 応募期間
    2020年11月20日~2021年2月20日
  • 応募総数
    45作品
総評

コロナ禍で迎えた、今回の「南区 U-40アートフェスティバル2020」は、ソーシャルディスタンスが重要視される中での新たな取り組みとして、WEBにて映像作品を募集する形での開催となりました。アート活動や作品づくりにもおそらく制約がある中でも、審査応募部門へ45作品、自由参加部門には2作品、計47作品という多くのご応募をいただきました。

6名の審査員がアートフェスティバルへと寄せられた作品を「チャレンジ意欲」「独創性」「完成度」を基準として、審査をしました。緑豊かな南区というロケーションを活かした作品やステイホームの楽しみ方を提示する作品、そして、創意工夫をもって自らのアートの楽しさを表現した作品など、見る側も「アート」や「映像」というメディアの在り方について考えさせられる作品が多くありました。

今回ご応募いただきましたすべての皆さまに、心より感謝を申し上げます。

WEB版南区U-40アートフェスティバル2020実行委員会 委員長
南区長 大平 英人

審査員講評
  • 大平 英人 審査員
    マンドロンチェロのメロディに、家庭にある身近なアイテムを使ってオーケストラ風に仕上げる、その発想が素晴らしく、また、動画の完成度がとても高い。
    心地よい曲に加え、マンドロンチェロの演奏技術が非常に高く、何度見ても癒やされる。
    玄関で靴が踊っているシーンは、靴が楽しんでいるように見えて、コロナ禍に負けない明るい希望を感じた。
  • 須之内 元洋 審査員
    ステイホームが常態化するようになって、音楽の力を改めて実感された方は少なくないはず。また、生活スタイルの変化の中で、日常の音に耳をすます機会も増えたことだろう。ミュージック・コンクレートを映像で表現するアイデア自体は古くからあるが、今の時代の空気を反映し、音楽、日常の音、CGによって巧みに構成された、完成度の高い作品だと思う。
  • 早川 渉 審査員
    音楽と映像の統一感が素晴らしい。気持ちの良い作品。
    音楽に合わせて、家の様々なオブジェが音を奏でるというアイデアはそんなに新しいものではないが、チャイムが鳴った後の展開、玄関の靴たちがC Gで描かれ演奏に参加するという流れは意外性があって面白かった。作者は音楽が専門で、その他にC Gの制作も手掛けているようだが、実写での映像表現も的確でクオリティが高いものだと感じた。今後も音楽+C Gのナチュラルな映像表現を続けていただきたいと思う。
  • 坂本 真惟 審査員
    タイトルの通り、マンドロンチェロの演奏を主軸に、家庭にあるものを音に合わせて活用している点に創意工夫が見られた。演奏はもちろん、映像の構図にもバリエーションがあり完成度が高く、どちらも楽しめる作品である。
    ただ靴だけが動くシーンに関しては、それまで手を使った演奏の流れから少々唐突。
    演奏と映像、CGの組み合わせに可能性が感じられるので今後の作品に期待したい。
審査員講評
  • 大平 英人 審査員
    最初の広大な森と壮大な“ささの塔”のシーンで映像に引き込まれ、自然の中を歩く先を想像させられる。やがて背の高い赤い椅子が現れるが、椅子に座って見える景色を自分なりに感じることができた。
    自然の中での人間の存在、周りとの共生を考えさせられる作品。
    後半では、ささの塔や様々な構造物の手作りの様子が流れ、作者の思いが感じられ、また、前半のシーンがプレイバックされたような演出も素晴らしいと思う。
  • 早川 渉 審査員
    初冬(?)の芸術の森。薄く雪化粧した森の中を歩く映像とアート作品の佇まいは、匂い立つような強烈な空気感を与えてくれた。作品自体は芸術の森内やキャンパス内のインスタレーション作品を紹介し、またその制作過程を記録したものだが、オープニングのドローン(?)映像から、森を歩くシーン、そしてキャンパスの廊下から「ササの塔」に至る流れが素晴らしく「映画的」。作者の緻密な構成力を感じる。予てから「映像表現」と「空間表現(建築)」は親和性が高いものだと思っていたが、今回の作品を見て改めてその思いを強くした。どちらも時間と空間を適切に把握し、様々な要素を精緻に組み上げていく作業がとても大切。作者にはその資質が備わっていると感じた。
  • 芝木 謙子 審査員
    建築空間の中にあらわれた自然空間、自然空間の中に現れた建築的構造物の対比が興味深かった。芸術の森の地域に残る自然の特性を十分に生かした映像が美しく、印象深く、心に余韻が残る映像となっていた。前半の映像だけでも十分に作品として楽しめた。私個人としては、後半の赤裸々な製作過程は含めなくてもよかったのではないかと感じた。
審査員講評
  • 須之内 元洋 審査員

    戦争の記憶をいかに語り伝えていくかという課題に、独創性の高いCG表現によって正面から切り込んだ力作と思う。ともすれば無機質な印象を与えかねないところだが、細かな演出や工夫によって、登場人物の心の葛藤を丁寧に表現できていると思う。戦争当事者の心象描画を交えながら、戦争時代の伝聞や写真資料を上手に組み合わせることで、映像としての力強さと説得力双方を獲得できていると思う。
  • 早川 渉 審査員
    候補作の中で最も個性を感じた一本。
    紫色と黄色の精神空間のイメージが強烈。そこに登場する主人公をはじめの様々な登場人物の3Dモデル。話している状態を口元の光が明滅する形で表現したのは斬新なアイデアで、何ともいえない恐ろしい虚無を感じた。祖父の写真素材のリアルさと3Dモデルの非現実性、そして精神空間の抽象的な世界観が適切なサウンドデザインと構成力の確かさで見事に作品として仕上がっていると思った。一度もあったことのない祖父の、半世紀以上前の記録と記憶を今の時代の技術と感性で表現した傑作。
  • 芝木 謙子 審査員
    当事者としての視点から描かれ、観るものからはある家族の肖像画をみるようなノスタルジー溢れた映像となっていた。実話をもとにしたストーリーを通してあらためて日本の戦争の歴史を考えさせ、現在享受する平和のありがたさ、大切さが自然に感じられた。アニメーションとしての映像も美しく、静謐さと同時に強いインパクトを感じた。
審査員講評
  • 大平 英人 審査員
    自宅で疫病退散のお祈りしたいという気持ちをチョークアートにこめた素晴らしい作品。
    神社の奥行がうまく表現され、また、参拝の動きも良くできている。
    作品ができるまでの変化も楽しめるチョークアート、南区にはたくさんの魅力があるので、是非、チョークアートで表現できたらいいなと思う。
南区特別賞 図書カード(5千円分)
副賞(定山渓温泉特産品詰め合わせ)
選定理由
  • 本作品は、南区内の高校生が区内の名所である定山渓温泉をPRするため、定山渓の観光スポットへ実際に出向いて撮影し、PR動画としても活用できる作品である。
    新型コロナウィルス感染症の影響で温泉街の客足が遠のく中、定山渓温泉を何とか応援したいという想いが伝わるため、南区特別賞として新たに選定した。
審査員略歴(敬称略)
  • 大平 英人
    南区長
  • 須之内 元洋
    札幌市立大学 デザイン学部 講師
    建築とメディアについて学んだ後、ソニー株式会社、サイボウズ・ラボ株式会社勤務を経て、2007年より札幌市立大学デザイン学部にて、メディア環境学、情報学、メディア・アーツ分野の研究・教育に取り組む。並行して、現代美術家や建築家の仲間とともに2005年にデザインファーム「assistant」を共同設立。未来のメディア環境の行く末を想像し、私達の社会や暮らし、知覚に及ぼす影響について考察をしながら、メディアのデザインを行っている。
  • 早川 渉
    東海大学札幌キャンパス 国際文化学部 講師
    北大入学後、自主制作映画を始める。
    1999年、長編映画「7/25【nana-ni-go】」カンヌ国際映画祭国際批評家週間正式出品ほか、バンクーバー国際映画祭でグランプリなど受賞。 2006年、堺雅人主演の長編第2作「壁男」。東京国際映画祭などで上映。
    また、CMディレクターとして「登別クマ牧場」「セイコーマート」など数多くの道内CMを手掛ける。
    北海道を活動拠点に、自身の映像制作と並行して映像教育や芸術文化関連の活動や後進の指導にも当たっている。現在、東海大学札幌キャンパスの国際文化学部デザイン文化学科で講師として映像と地域活性化の研究を進めている。
  • 芝木 謙子
    PMF組織委員会スタッフ
    ピアニスト。公益財団法人パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会所属。オーディションを経て第1回パシフィック・ミュージック・フェスティバルに参加、創設者故レナード・バーンスタインを中心とした教授陣より指導を受ける。北海道教育大学札幌分校特別教科音楽課程およびオーストラリアン・カトリック大学(メルボルン マーシー校)芸術学部舞台芸術学科修士課程修了。在学中より現在までソロ、アンサンブルなどの演奏活動のほか(札幌市民芸術祭新人演奏会、国際ユーフォニウム・テューバ協会世界大会ピアニストなど)、北海道大学や藤女子大学等にて講演活動も多数。
  • 坂本 真惟
    札幌芸術の森美術館 学芸員
    札幌芸術の森美術館学芸員。2017年より同館に勤務。北海道・札幌の工芸家に注目した「北と手仕事 ライフストーリーズ」や、オランダの現代アーティストを紹介する「テオ・ヤンセン展」などを企画。
  • 渋谷 芳生
    南区役所市民部長
  • 主催
    WEB版南区U-40アートフェスティバル2020実行委員会

  • 事務局
    札幌市南区、株式会社メディア・マジック

  • 協力
    札幌市立大学、東海大学札幌キャンパス、札幌芸術の森、PMF組織委員会

  • アドバイザー
    (一社)AISプランニング、NPO法人ezorock

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