南区アートシーズン冬取材記事 2024.02.08
ミナミナク・アートプロジェクト事務局です。
南区サポーターには小説家を目指しこの春から本州の芸術系の大学に進学する有望な若者がいます・・・!今回は、その方が南区サポーター活動の一環として、南区アートシーズン・冬「森を継ぐ/燐光を紡ぐ」展の参加アーティストである八子直子(やこ なおこ)さんに対して行ったインタビューの記事を掲載します!
人間社会と自然の境界線、その曖昧さに惹かれて
今回は南区アートシーズン・冬「森を継ぐ/燐光を紡ぐ」展に参加される美術家、八子直子(やこ なおこ)さんに作品について、南区について、それから八子さん自身についてたくさんの質問に答えていただきました。この記事が今回の展覧会への興味のきっかけ、深掘りとなりましたら幸いです。
構成:文 宮崎 春人
生活の中から掘り下げる
─作品のテーマは?
人間社会と自然の境界線、その曖昧さに興味を惹かれます。今回はそれをベースに大切な人への祈りをテーマにしています。
─何からアイディアを思いつきますか?
想像力に頼るというよりは、生活の中で得たもの、感じたもの、子供の頃好きだったこと、自分のルーツなどからです。
プライベートな世界から外を見るというのを意識しています。
─作品の作り方を教えてください。
以前は重量のある木製のパネルにコラージュをしてドローイングしていました。その後平面を作る時は試行錯誤を経てウレタン素材など軽いものを使ってみたりもしています。
でもプラスチック的なものを大量に使うのはちょっと……と思い、最近は自然素材で土に帰りやすいものをできる範囲で使います。
─今回の八子さんの作品はサイズが大きいですが、作るのにはどれくらいの時間がかかりますか?
作品によってさまざまですが二ヶ月あればなんとか形にできるのかも。
昔の作品に手を加えてバージョンアップさせることもあります。
─展示全体の作り方を教えてください。
テーマに沿って考えるようになったので、制作した作品やパーツへ過去の作品やそのパーツを交えてセッティングしたりします。
そして会場と対話して自分の作品の置き方を考えます。なので時には準備したものを数点持ち帰ることもありますね。
─作品を作る上で心掛けていることはなんですか?
自分の子供から着想を得て作ったものには手を加えないことにしています。その時に感じたことを大事にしたいと思っています。
恵庭から南区へ
─結婚を機に南区藤野へ移り住んだということですが、南区に決めた理由はなんですか?
昔バイトで藤野に来たことがあって、その時の印象が良かったのでした。なぜだか二人とも迷わず南区の藤野に決めました。自然が好きだし、でも利便性も欲しい、そういった所で藤野に決まりました。
─藤野に住んで29年ということですが、南区の好きなところは?
美味しい空気です。朝の空気が澄んでいて、自分が今避暑地の別荘にいるみたいに思うことがあります。あとは、ごみごみしていないところ。人と人との距離がちょうど心地よいくらいはなれているところかな。
─今回のプロジェクトに誘われたときの心境は?
ありがたく思います。住んでる町で展覧会を出来ることを大切に思います。この土地で育んだ作品を周りに住んでる人にも見てもらいたい、足を運んでもらいたいそういった気持ちですね。
─アートプロジェクトがあることについてどう思いますか?
よいことだと思います。日本は美術に対して敷居が高いと思います。私が行ったことのある海外限定ですが、四季に芸術を取り入れて、たとえばひな祭りにはお雛様を飾るというように自然にアートを取り入れてほしいです。
創作活動の苦労は、ない
─今のような制作スタイルはいつ頃からですか?
藤野に来て子供が生まれた2000年ごろからですかね?!
昔は自由には制約が必要と思っていたので、枠内の自由にこだわって作っていました。でも自分の子供に触発されて、もっと自然で良いなと思うようになりました。
─創作活動の苦労は?
ないです。ある意味苦労さはワクワクに変換できます。ですが作品の傾向上、ほぼ1人で設営してるので体調管理とか、怪我とかに気をつけなきゃと思うあまり、それがストレスとなることはあります。
─これから作りたい作品は?
あまり決めてないですね。何事も止めず動いていると自ずと広がったり、素材が落ちてたりするので、それらと対話しながら作っていく感じですね。
その先に自然と作品が現れる。又そのすがたに出会うのがこの上ない喜びとなっています。
─南区の方へのメッセージをお願いします。
見に来てください!見て何かを心に持ち帰ってもらえたらと思っています。
ただ会場で作品を見て「ふぁーっ、何これ」というように気楽に見て貰っても嬉しいです。