「巻き込まれ」から始まった、映画作りの本質。~「アーティストインタビュー」取材記事(早川渉さん) 2026.02.24
ミナミナク・アートプロジェクト事務局です!
様々な個性や特技を持った方々が、ミナミナク・アートプロジェクト・サポーターとして本プロジェクトの活動を支えてくれています。
今回は、その中からアートと南区に関心を寄せる3名の方による、本プロジェクトの実行委員のひとりであり、映像制作者の早川渉(はやかわ・わたる)さんへのインタビュー記事を掲載します!

早川渉さんは、札幌市内のCM制作会社勤務を経てフリーの映像制作者として国内外の高い評価を受けています。今回は、3名のサポーターからのたくさんの質問にお答えいただきました。
インタビュー・記事作成:矢部陽依・荒井芙未・大瀬雅恵
─なぜ、映画や映像という表現方法を選ばれたのですか?
「実は、最初から作りたいと思っていたわけではなかったんです。もともと映画を見るのが好きなだけで、作る側になる気は全くありませんでした。大学でたまたま入ったサークルが映画研究会で、皆でワイワイ鑑賞するんだろうなと思っていたら、バリバリ作るサークルでした。そこで、半ば巻き込まれる形でしたが、映画製作に関わるようになりました。」
─実際に映画制作に関わられてどうでしたか?
「やってみたら面白かったです。特に、皆で作るというところが私にとって大きかったですね。色々な人の才能や個性が交わることで、1+1が2以上になる瞬間がある。それぞれの力がうまく噛み合ったとき、100%を超えるものができるかもしれない。そういう部分が映画制作の1つの魅力だと思っています」
─1人で作る表現とは、かなり感覚が違いそうです。
「全然違いますね。役者やカメラなど、自分以外の要素がどんどん入ってくるので。だからこそ、自分1人では絶対に到達できないところまで行ける可能性が出てくるんです。私は自分の才能だけで勝負したい、というタイプではないですし、人の才能も頂戴しながらみんなで一緒に作っていく方が好きなので、自分に合っていると感じています。」
─監督という立場について、どう考えますか?
「監督は、ディレクターですよね。ディレクションとは『方向を示す』ということ。様々な人が関わる中で、作品としてどこを目指すのかを明確にし、その方向だけはぶれないようにすることが監督の役割だと思っています。」

─普段から作品を作るために考えていることはありますか?
「その都度のことを考え、深いレベルで考えることはあまりありません。ただ、すごくいろいろなことを考えているので、何を考えているのかと聞かれても答えられないのかもしれませんね。」
─作品のインスピレーションはどこから得ていますか?
「色々なものへの興味、その積み重ねではないかと思っています。頭の中にポケットや引き出しがたくさんあり、そこにいろいろなものが入っているイメージです。企画を考えるときに、そのポケットの中身を確認します。日常の中で面白いことに遭遇すると、今度はそのポケットに収納するという仕組みですね。」

─AIとアートの関係については、どう考えていますか?
「アートって、そもそもすごく柔軟な概念だと思うんです。昔ながらのクラシックなアートが縮小していくのは、ある意味仕方がないことかもしれません。しかしAIが入ってくることで新しいアートの領域は確実に生まれるはずですし、アート全体として見ればむしろ広がっていくと思います。」
─AIを使った作品について、印象に残っているものはありますか?
「AI同士が延々と『愛』について語り合う展示を見たことがあって、それが印象に残っています。内容自体は、不毛な議論が続いていて正直『浅いな』と思ったのですが、その一方で『若い子たちもこういう会話をしているなぁ』と解釈が広がったのが面白かったですね。」
─AIイラストへの批判や教育現場でのAI利用についてはどうでしょうか。
「それはまあ仕方がないと思いますね。しかし問題はAIそのものじゃなくて、作る側のリテラシーじゃないかなと。AIが作ったものを自分のオリジナルだと言うのは駄目だと思いますが、AIを使って制作したことを明言するなら、そこまで問題はないように感じます。大学では、レポートでAIを使う学生が増えたのも時代だと思います。昔はコピペしていたのが、AIに変わっただけとも言えますし。個人的にはプロンプトのやり方次第ではないかと。うまく使っていけばいいと思います。だからこそ、大学も生徒への課題により一層の工夫が求められるようになったので、先生側としては面白い課題ですね。」

